当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(1)主要取引先への依存について

当社の主要株主である王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社は、当社グループの主要商品である紙及び板紙を仕入れている主要仕入先であります。当連結会計年度における2社グループからの仕入金額合計は総仕入金額の46.2%になります。
当社は現在、両社と代理店指定に係る基本契約書を締結しており、今後も取引の継続的な拡大を図っていく方針でありますが、天災及び何かしらの影響により、両社グループから当社への商品供給に著しい支障が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)商品市況の影響について

当社グループの主要な商品である紙、板紙等の製品の仕入価格は、原材料であるパルプ、チップ、古紙等の世界的な需要及び原油等の燃料価格の動向の影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、製品の仕入価格に影響を与えます。当社グループでは、適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っておりますが、販売価格への転嫁の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)紙・パルプ業界の流通再編について

紙・パルプ市場は、景気動向や消費動向等に大きく影響を受けます。また、人口減少やペーパーレス化等により、国内市場の縮小化が進むことが予想され、それに伴い、流通会社の再編がさらに進む可能性があります。当社グループでは、従来よりM&A等により業界再編に対応しており、今後も柔軟な対応を継続していく方針でありますが、当社グループの想定を超える市場環境の変化やM&Aが当社グループの想定どおりの効果を上げられなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)メーカーの直売指向について

厳しい経済環境の中、紙製品のユーザーにはコスト削減を積極的に進める会社が増加する傾向があり、当社グループもこれに対応するため、流通コストの削減等の企業努力を行い、取引関係の維持に努めております。しかしながら、近年では製紙メーカー各社の直売指向があり、特に産業用紙や機能材商品の分野ではこの傾向が強くなっております。このような場合、当社グループの販売先であるユーザーがメーカーとの直接取引に切り替えることがあり、このようなケースが当社グループの想定を超えて増加した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)為替レートの変動リスク

当社グループの事業区分である海外拠点紙パルプ等卸売事業では、アジア、米州等を中心に世界各国における販売を行っており、当連結会計年度における海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は連結売上高の18.6%となっております。また、当社グループでは、日本からの紙、板紙、古紙等の輸出販売も行っており、これらの商品の海外での価格競争力は為替レートの変動による影響を受けます。
連結財務諸表の作成に際しては、各国における現地通貨建ての売上高、費用等を円換算した上で計算しており、円換算時の為替レートの影響を受けることとなります。当社グループは、為替予約取引等により、為替レートの変動による影響を最小限に止めることに努めております。しかしながら、為替レートが当社グループの想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)金利変動リスク

当社グループでは、運転資金等の調達は金融機関からの借入金及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に行っております。当社グループでは、長期借入金(固定金利)による調達、金利スワップ等を取り入れ、金利変動による影響を最小限に止めることに努めておりますが、当社グループの想定を超えて金利変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は413億57百万円であり、総資産に対する割合は21.6%であります。

(7)カントリーリスク

当社グループは、アジア、米州等を中心に世界各国における販売を行っており、当連結会計年度における海外拠点紙パルプ等卸売事業は連結売上高の18.6%を占めておりますが、これらの国々においては、法改正や人件費高騰、外交問題等の要因により、事業活動に制約が生じる可能性があります。また、紙・パルプ市場は、事業展開を行っている国または地域の景気動向や消費動向等に大きく影響を受けます。当社グループでは、海外事業の売掛金に係る保険の付保や当該国における情報収集の徹底等により、これらのリスクを最小限に止めることに努めておりますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、第142期連結会計年度並びに第143期連結会計年度において、中国及び香港の取引先を中心に多額の貸倒引当金繰入額を計上し、海外拠点紙パルプ等卸売事業ではセグメント損失を計上するに至りました。中国事業においては、上記の貸倒引当金繰入等を主要因として財政状態が悪化した国紗褘紙漿紙張商貿(上海)有限公司の清算手続きを進めておりますが、清算の過程において不測の損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)取引先与信リスク

当社グループの販売取引では、掛売り、手形回収が慣行となっている取引先が多くなっております。また、当社グループの「海外拠点紙パルプ等卸売事業」においては、「アジア」に占める割合が高い状況にあります。このような状況等を踏まえ、当社グループでは、定期的に海外拠点全店を対象とした与信見直会議を実施しているほか、海外店の管理担当者会議を年1回開催し、取引先個別管理を徹底するとともに、回収不能の未然防止対策として規程、マニュアル等を整備し、当該規程等に基づいた審査を定期的に実施し、与信リスク回避に努めております。しかしながら、取引先の信用状態が悪化し、回収不能になる債権が当社グループの想定以上に増加した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、「アジア」地区における当社グループの主要な販売先は、香港証券取引所に上場する森信紙業集團有限公司(Samson Paper Holdings Ltd.以下「サムソンペーパーホールディングスグループ」という。)であり、同社グループに対する当連結会計年度末の売掛金残高は159億88百万円となっております。

(9)退職給付債務

当社グループでは、確定給付年金制度、退職一時金制度及び確定拠出年金制度を採用しており、これに伴う退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。また、年金資産の一部には株式信託を採用しております。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)所有する株式の時価変動リスクについて

当社グループが保有する株式は、仕入先企業、販売先企業、取引金融機関等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向及び当該企業の業績等によって当該株式の価格に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)新規事業投資のリスクについて

当社グループは、事業機会の拡大、既存事業の強化等を図っていくため、新会社の設立や既存の会社の買収等の投資を行っており、2017年4月には訪問介護事業の起業支援及び運営支援を行うホウカンTOKYOビジネスサービス株式会社へ1億90百万円投資しております。この投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。
また、研究開発活動において拠出した資金を何らかの状況変化により回収できない可能性があります。

これらのリスクの管理については、投資委員会を開催し投資の採算性について十分な審議を行い、定期的に投資先の経営状況や計画の進捗等を確認し、取締役会等に報告することとしております。しかしながら、追加損失が発生するリスク及び計画した利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)中国投資に係るリスク

当社は、中国に持分法を適用する製造会社を2社有しております。サムソンペーパーホールディングスグループとの合弁で段ボール原紙の製造及び販売をおこなっているMISSION SKY GROUP LIMITEDグループへの当連結会計年度末における持分法による投資額は36億22百万円であり、そのうちのれん額は11億78百万円となります。中国投資事業につきましては社内で管理レポートラインを作り、主管部門が四半期ごとに経営成績や投資計画の進捗状況をモニタリングしております。事業環境の急変などにより、予期せぬ状況変化で事業計画からの大幅な乖離が生じ、持分法適用会社に損失が発生した場合は、当社の持分比率に応じて、連結財務諸表に計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)不動産市況等の影響について

当社グループは、収益基盤の安定化を目的とし、所有不動産を活用した不動産賃貸事業に取り組んでおります。しかしながら、不動産市況に変動が生じ、所有する不動産価格や賃貸料が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における総資産に対する賃貸不動産の比率は8.3%であります。

(14)大株主との関係について

1979年3月に、共に当社の株主であった王子製紙株式会社と日本パルプ工業株式会社の合併により、王子製紙株式会社(存続会社)の当社への議決権保有率が24.3%となりました。王子ホールディングス株式会社(持株会社制に移行し、商号を王子製紙株式会社から王子ホールディングス株式会社へ変更)は、当社の2018年6月26日に実施した公募増資により発行済み株式の総数が増加し、同社の持分比率が減少した結果その他の関係会社ではなくなりました。なお、当連結会計年度末の議決権保有比率は17.0%(間接所有含む)であります。
1924年の当社設立以来、同社及び同社のグループ会社(以下、同社グループ)を主力仕入先として継続的な取引を行っておりますが、同社グループとの取引は、他の仕入先である製紙メーカーと同様の取引条件で行っております。
また、本書提出日現在、同社グループと当社グループにおいて、役職員の兼務や出向者の受入れはありません。加えて、経営の意思決定において、同社グループへの事前承認等が必要となる事項もなく、当社グループは独立的な経営を行っております。しかしながら、将来において、同社グループの経営方針や戦略が変更された場合には、当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。

(15)資金使途について

当社が当連結会計年度に実施した公募増資、第三者割当増資により調達いたしました資金の使途については、社内基幹システム関連の設備投資及び借入金の返済に充当いたしました。しかしながら、想定した投資効果が得られない可能性や設備投資にかかる遅延等が発生し想定外の費用増等が発生した場合においては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、社内基幹システム関連の設備投資の完了後は償却負担を含む経費の増加を見込んでおります。